明け方に聴きたくなる音楽

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家にいる時間が長引いて体を動かさなくなったことで、睡眠時間がゴリゴリと削られている。今日もなんだかんだで起きていたら朝になった。
いい影響が全然ないのはわかっているけど、きっかけがないと戻しづらい、そして正直夜の方が圧倒的に集中力が続きやすい。昼間の自分以外誰も家にいない時と比べても、静かに感じる。

この時間に起きていると、コンビニで働いていた頃のことをよく思い出す。

早朝シフトの日は5時台に起きて出勤だったので、出勤経路で川を越えて橋を渡る時間にちょうど空の色が変わるタイミングとよく重なっていた。ただでさえ遅刻ギリギリなのに、自転車を停めて写真を撮ったりすることがあった。始発も動き出して間もないような時間の早起きは苦痛だったけれど、その短い通勤の時間は好きだった。
日中より気温も湿度も低く、往来を行く人や車の姿もほとんどない、すっきりとしている青い空気の中を自転車で通り抜けていくのが心地よかった。当然冬場は容赦無く冷気が顔や指先に突き刺さってくるわけだけれど、それすらも生きているんだなという気がした。

コンビニではずいぶんと長い年月を働いていたので、夕方から始まり、変遷を経て、昼間、準深夜、早朝、深夜とすべての時間帯のシフトに入っていた。
深夜帯の勤務だとちょうど日付が変わる前後に納品が来るので、店頭出し作業をしていると作業がひと段落するのはなんだかんだ朝方だった。4時くらいから早朝の特別プログラムに切り替わる店内有線を売り場のメンテナンスをしながら聴いていた。

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Age Factory「Moony」

名前だけしか知らなかったAge Factoryの音はこの有線で聴いて知った。
この“Moony”“River”がピックアップされていた。
どことなく倦怠感のある雰囲気が夜明けの時間帯によく合う。
余談だけれどAge Factoryはドラムの増子さんの書く文章がとても素敵なので是非ブログを読んでみてほしい。

七尾旅人「きみはうつくしい」

七尾旅人もこの店内有線で知った。

詞がやたら飾り立てたりせず、シンプルでストレートな言葉で綴られているからか、すっと入ってきたのを憶えている。

早朝シフトと入れ替わりでの退勤になるので(最後の方は人手不足で通勤ラッシュが終わるまで延びたりしたこともあったけど)、憂鬱な顔を下に向けて会社に向かって歩く人たちと反対方向に帰路へ着いていた。いってらっしゃいお疲れ様です、と思いながら、人と違う生活リズムで生きている自分のアウトロー加減にコンプレックスを感じることもよくあった。帰ってからは風呂に入ってから朝ごはんを食べて寝ていた。朝風呂はいつでも気持ちよかった。

夜ふかしや昼夜逆転で迎える夜明けは微妙だけれど、終わりと始まりが共に在るこの時間帯そのものについては今も昔も大好きだな、と思う。
そんなことをつらつら書いているうちに家族が起き出した。リビングからパンの焼ける匂いがする。完全に朝になった。おはようございます、どうか本日も良い一日を。

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