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2023.10.29 THE SPELLBOUND “BIG LOVE TOUR -BOOM BOOM SATELLITES 25th Anniversary Special-” at Zepp Shinjuku

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BOOM BOOM SATELLITESの曲が聴きたくて、THE SPELLBOUNDのライブに行ってきました。
正直に言って私はBOOM BOOM SATELLITESもTHE SPELLBOUNDも決して詳しいわけではないのです。
今回の公演はタイトルに周年スペシャルと入っていることもあり、そんな私が行っていいのかなとか迷っていたんですが、
1週間以上経った今も余韻がすごくて気が付けば無意識に曲を流しているので本当に観に行ってよかったなと思っています

目次

「2023年にBOOM BOOM SATELLITESのライブを観る」ということ

セットリスト

-SET 1-
01.HELTER SKELTER
02.MOMENT I COUNT
03.DIVE FOR YOU
04.MONING AFTER
05.LAY YOUR HANDS ON ME
06.EASY ACTION
07.PUSH EJECT
08.KICK IT OUT
-SET 2-
09.名前を呼んで
10.すべてがそこにありますように。
11.LOTUS
12.はじまり
13.なにもかも
14.A DANCER ON THE PAINTED DESERT
15.FOGBOUND
16.FLOWER

17.BACK ON MY FEET
18.DRESS LIKE AN ANGEL
19.Sayonara

いきなりのギターの轟音で目を見開きました。1曲目がまさかのHELTER SKELTER…!!!!!
THE BEATLESのカバーだから流石にやらないかな…なんて思ってたんですけど正直一番聴きたい曲だったんですよ…!こんな形で爆速で夢が叶ってしまうなんて想像できます???

おすすめで出てきてこのサムネの色味がかっこよくて再生してみたらどハマりしてしまった1曲。
ビートルズの原曲やU2、Oasisのカバーとの聴き比べもしたけど彼らの演奏が一番スケール大きくて素晴らしい演奏と思ってます

もう今日この1曲だけで来れて本当によかった他全部知らない曲をやったとしても何も後悔しない…ってなりました。いや同じ事この後5分おきくらいにあと10回は思うんですけどね。

何がやばいって、ステージの後ろに掲げられてる背景幕(バックドロップ)がBOOM BOOM SATELLITES仕様だったんですよ。
今回彼らの曲が聴けるだろうとは思っていたものの、あくまでもTHE SPELLBOUNDとしてのカバーだと考えていたのでこの演出はまったく想像ができていませんでした。

興奮が全く覚めないままMOMENT I COUNTからの、流れるようにDIVE FOR YOU
曲のタイトル通り、ビートの海に沈み込んでいくような、音の洪水を浴びているような感覚。フル尺ではなかったけれど、この曲もHELTER SKELTER並みに聴けることを渇望していたのでイントロのベースが鳴った瞬間にテンションが爆上がりしました。

ベースで始まるイントロに弱いので、初めてちゃんと聴いた時から魅力にどっぷりでした

その後続く楽曲も「MONING AFTER」「LAY YOUR HANDS ON ME」とまるでベストセレクションのようなセレクトのオンパレード。
「LAY YOUR HANDS ON ME」についてはBOOM BOOM SATELLITES最後のリリース曲であり、穏やかに終末に進んでいくような、まさにエンドロールが似合うような曲だというイメージが自分の中であったので5曲目にしてもう終わりか…と思ったりもしてしまいましたが、カバー枠どころかライブ自体全然まだまだ続きました。

今回の会場であるZepp Shinjukuとの相性は悪くないんじゃないかなと。今年4月にオープンしたばかりで、キャパとしては1,500人ほどが収容可能なハコで、縦長の作りをしているのでミラーボールが回るような演出をする、踊れるライブはとても映える気がします。

周り見回しても1曲ごとにみんな楽しそうだし歓声の熱量が高いし、わたしの友人も後ろで見てたお兄さんもめちゃめちゃ泣いてたけど嬉しそうで観てて最高でした…。

「EASY ACTION」「PUSH EJECT」ときて、第一部のラストで「KICK IT OUT」

Wikipediaによるとこの1曲にタイアップが8つついているそうです。すごすぎんか?

私がBOOM BOOM SATELLITESを知ったきっかけはこの曲。
2006年リリースの曲ですが、いまだにテレビ番組の効果音でイントロが使われたりすることもあるくらいなのでこの曲だけは知っている、聴き覚えがあるという人も多いと思います。どこでBOOM BOOM SATELLITES=KICK IT OUTの人だと認識したのかがどうしても思い出せないですが…

曲終わりで中野さんのMC。
「こんばんは、BOOM BOOM SATELLITESとTHE SPELLBOUNDです」
から始まって、 「あ〜〜〜わたしもう2度と行けないと思ってたBOOM BOOM SATELLITESのライブに来れたんだ…」と感動しました。なんというか、冒頭でも書いた通り今回わたし彼らの曲が聴きたくて来たんですよ。SPELLBOUNDのツアーなのにいいのかなという罪悪感みたいなものがあったんですけど、中野さんが名乗ってくれたことで許された気がしたのです。先日のストレイテナー武道館公演といい、生きていたらこういうハッピーな瞬間に巡り会えるんだなあ…っていうのをしみじみ思ってしまいました。

そして幕がTHE SPELLBOUNDのロゴに変わって、実質第二部スタート!
さすがに1曲もわかる曲がない状態で行くのもな…と思って、たまたま目に入った「すべてがここにありますように。」は予習していたのですが早々に聴けました。
鍵盤入ってる曲好きなんですけど電子的な音と旋律のバランスが最高ですね。言葉の盛り込まれ方もサビの展開も歌詞もモロにどストライクな曲です。

友人から「子供が生まれてから、さらにTHE SPELLBOUNDを始めてからの小林さんは優しくなった」と聴き、さらにライブに行くことが決まって聴いた最新曲。確かに優しい。切れ味があるけど柔らかい。

以降に披露された曲は本当に無知すぎてちゃんとした感想が書けなくて申し訳ないんですが、小林さんの表現力の凄さに圧倒されていました。2つのバンドで歌い方というか、声の表情が全然違うんですよね…。THE NOVEMBERSでも活動されていますがそことも違うという。
ライブに行ってから改めて曲を聴いているのですが、「LOTUS」「なにもかも」あたりはライブでも印象に残っていたし繰り返し再生しています。

そしてバックドロップが変わったのでもうやらないかなと思っていたのですが、再びのBOOM BOOM SATELLITESのターンが巡ってきて「FOGBOUND」。切り替えがすごい…。全曲通してそうなんですが、ドラムのテクニックが圧倒的すぎて最後はもう放心してました。

終盤のMCで中野さんが、「僕は相方が早く亡くなってしまったので、その分長く生きようと思ってる」「僕はみんなより長生きして、みんなの人生を送り出す音楽を作っていきたい」って話をしてて。
みんなより長生きするって言ったら中野さん200歳くらいまで生きることになるじゃん!て感じでちょっと笑いが起きてたり笑
みんなめちゃ熱く踊ってるものの、ファン層的には30〜40代が中心なのでなんとなく落ち着いている空気はあるけど、フロアがとても温かいのが印象的でした。「小林くんのことを応援してね!」って言ってたけど、わたしとしては中野さんもぜひ応援したいです。します。

最後の最後に小林さんがフライングVを掲げて、えっえっもしかして…?と思ってたところそのまさかで、今回のツアーは川島さんが弾いていたフライングVと一緒だったとのこと。(ライブ中はあんまり手元見えてなかった)
プレッシャーとか、期待とか、責任とか、この人どれだけのものを背負ってステージに立ってるんだろう…?と改めて思わずにはいられませんでした。
ただ楽しかっただけでは終わらない、いろんな感動とか気づきとか、何より新しい好きにたくさん出会った濃厚な一夜でした。

詳しくなくても超カッコいいことは知ってる

私がこれまでにBOOM BOOM SATELLITESをライブで観たのは2010年の初年度の「ROCKS TOKYO」、2014年にEX THEATER ROPPONGIで開催されたACIDMANとの対バン「GO LIVE VOL.2」の2回だけ。ミュージックライブラリに入っているのもベスト盤2枚のみです。

GO LIVEのチケットを見たらなんとスタンディングで4,000円でした。この対バンでこの値段は当時でもいくらなんでも安すぎるよ…

どちらのライブも、もう10年以上前の話なんですけど、当時の私は今以上に割とスタンダートな邦楽ロックが大好きすぎて、電子音的なエレクトロ要素が入ってくるようなサウンドにはあまりハマれなかったんですよね。
だから「KICK IT OUT」がセトリに入っていなかったこのライブで、「MCほぼしないでひたすら曲やるのマジストイック」「サポートドラムの福田さん綺麗だしめちゃめちゃドラム上手い…」「かっこよかったけど知ってる曲やらなかったな…」くらいの感想しか抱けなかったわけです。今なら迷いなく言えます。馬鹿野郎。ここでもっと魅力に気づいておきなさいよ…。

この後割とすぐくらいからヴォーカルの川島さんの脳腫瘍のことでニュース番組で報道されたりもしていたんですよね。
周りに彼らのことが大好きな友人が多かったのもあって、動向はずっと耳に入ってて「LAY YOUR HANDS ON ME」のMVを観たり、川島さんと中野さん2人のTwitterをフォローしたりはしていたのですが、もう一度観る機会がないまま、2016年の10月に川島さんが亡くなってしまい、もう二度とオリジナルメンバーでのBOOM BOOM SATELLITESを見ることはできなくなってしまったわけです。

その後2019年3月にベスト盤がリリースされたものの、ちゃんと聴くようになったのはこのタイミングでもなく。さすがにBACK ON MY FEETくらいはわかるようになってましたが。

多分昔は川島さんの歌い方の良さを理解できてなかったっていうのもあると思います

じゃあいつ興味がちゃんと湧いたのかというと、2021年のFUJI ROCK FESTIVALのYouTube配信でTHE SPELLBOUNDのアクトを観てから、です。

個人的に小林さんロン毛のイメージが強いので短髪だととても若々しく見えます

2021年だとコロナウイルスの余波もまだまだ大きかったので、フジロックはライブ配信を実施していました。
King GnuNUMBER GIRLを目当てに視聴していた流れでそのままTHE SPELLBOUNDも観ていたんですよね。中野さんが2020年にTHE NOVEMBERSの小林さんと新しくバンドを結成したという事前情報だけは知っていた、という感じです。(THE NOVEMBERSも曲は全然わからないのですが、何かのタイミングで小林さんのツイートを見かけた時に言葉選びが素敵な方だなと思ってずっとフォローしていました)

そしたら突然めちゃめちゃ聴き覚えのあるイントロが聴こえてきて、結構眠かったのにしっかり目が覚めたことを覚えてます。いくら中野さんがずっとBOOM BOOM SATELLITES名乗ってくれてるとはいえまさかそんなフェスで「BACK ON MY FEET」やってくれると思わないじゃん…

しかも、(これはしっかりとしたBOOM BOOM SATELLITESファンの方からしたらかなり賛否両論あると思うんですが)小林さんが川島さんを意識した歌い方をしているように見えたんですよね。再現度高くない?!と驚きました。そうしてもうちょっとちゃんと聴こう…と思い、とりあえずまずはもう手元に情報があるものから、とライブラリにあるベストアルバムを聴いたり、YouTubeでMVを観るようになりました。

そして今年2023年に入って、ちょっと落ちていた音楽大好き感情の再燃&バンド問わずライブに行きたい欲が爆発したタイミングで今回のライブが開催されることを知りました。
その時点でもうチケットの一般発売も追加販売もとっくに終わっていたものの、どうしても気になって諦められない!となったので、久しぶりにX(旧Twitter)でチケットを探して親切な方に譲っていただき、ライブに参加することができたのでした。
コロナや不正転売の取り締まりが厳しくなった昨今、こんな風にチケットを探したのも相当に久しぶりだったし、いい人に譲ってもらえてほんとによかったです。

観たいと思った時に観るチャンスがあるのは当たり前のことじゃない

一度逃したチャンスは二度と巡ってこないことの方が多くて、たまたまのタイミングが来た時に自分がちゃんとチャンスを掴めるかどうかが全ての分かれ目だと思っています。
オリジナルのBOOM BOOM SATELLITESはもう二度と観ることはできません。
だけど中野さんが小林さんとTHE SPELLBOUNDを結成してくれて、小林さんがBOOM BOOM SATELLITESの曲を歌うことを了承してくれて、彼らが今年こういうツアーを企画してくれて、友人がライブがあることを教えてくれて、チケットを譲ってくれた方がいたおかげで私は今回ライブに行くことができて、聴きたかった曲をほぼすべて聴くことができました。行ってなかったら本当に後悔していました。

にわかなこと以外にも、今月は2週間で5回ライブに行くという強行日程だったこともあって迷っていたのですが、心が行きたい方に向かうことで得るものがあるということと、そこで得るものの大きさを改めて実感した気がします。

私の願いを叶えてくれたTHE SPELLBOUNDにはありがとうしかないです。
こんなの好きにならずにいられるわけがない…!

次の主催ライブは関東圏ではMAN WITH A MISSIONとの対バンでLIQUIDROOMでの開催とのこと。
チケット取れる気がまるでしませんが、その時までにもっと曲を知って楽しめるように聴き込みたいと思います。

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